概要
- ハードウエア版の Kindle、アプリ版の Kindle とも、ユーザーコンテンツを利用可能。
- ただし、アプリ版の Kindle でユーザーコンテンツを利用する際は、端末ごとにファイルを手動コピーしなければならず、クラウドの恩恵を受けることができない。
- どの Kindle でも利用できるファイル形式は Kindle 形式 (.mobi など) で、Amazon.com が提供している「KindleGen」で作成可能。
Kindle におけるコンテンツの流れの図
コンテンツの利用の流れを、入手源別に Kindle Store で購入したものとユーザーコンテンツ (Personal Documents) に分けてまとめるとこんな感じで、大きな流れは A〜D の 4通り。
※注 このページの記事で書かれている Kindle は、2011年10月に発売された Kindle (第4世代) とその時点のアプリ版 Kindle を想定しています。
A: Kindle Store でコンテンツを買う
Kindle Store で購入したコンテンツは、Kindle Library に保存され、ハードウエア版の Kindle (Kindle Device) やアプリ版の Kindle (Kindle Reading Apps) にダウンロードして利用できる。
Kindle Library は、クラウドのストレージであり、同じ Amazon.com のアカウントでひも付いている 各 Kindle 間でコンテンツや最後に読んだページなどを同期することができる。
なおコンテンツによっては、 同じアカウントだけでなく、他人のアカウントに 14日間貸して利用させることもできるそうだ。
B: Kindle Personal Documents Service でユーザーコンテンツを転送
Kindle Personal Documents Service は、Kindle Store から購入したコンテンツ以外の、ユーザー個人のコンテンツを ハードウエア版の Kindle で利用するためのサービス。
基本的な利用フローは、Kindle で利用したいファイルをメールに添付し、Kindle 転送用のアドレス (<変更可能>@kindle.com) に送信することで自動的に転送される。また同時に、そのコンテンツは Kindle Library にも保存されるため、再ダウンロードも可能。
対応しているファイル形式 (MS Word、HTML、画像、PDF、Kindle 形式) やサイズ (〜50MB) の制限の詳細は、サポートページを参照。
注意すべきは、このサービスがアプリ版の Kindle に対応していないこと (サポートページの1段落目の最終行参照)。Kindle Store に日本語のコンテンツがないことを考えると、この点が残念だけど、サポートページの書き方は “… is not currently supported …” というものなので、もしかして将来は?と勝手に期待してしまう。
なお、「Kindle に送る」機能を持つウェブサービスやブラウザのアドオン等は、この方法 (*@kindle.com にメールを送る) を使っているものが多いみたいだ。Readability や Send to Kindle など。
C: 手動でユーザーコンテンツをローカルコピー
アプリ版の Kindle でユーザーコンテンツを利用する場合、これが 2011年10月時点で唯一の方法。
各アプリがコンテンツのデータを保存しているローカルフォルダにファイルを手動でつっこんでやれば、そのコンテンツが利用できるようになる。直接的かつわかりやすいが、当然、読もうと思う端末ごとにコピーが必要だし、Kindle Library のような同期もされない。
そのコンテンツフォルダは、いろいろ調べたところ次の通り。
アプリの種類 | コンテンツフォルダ | 備考 |
---|---|---|
iOS | /Apps/Kindle/Library/eBooks | Mac 版 iExplorer で見た場合 |
Android | SD カード直下の「kindle」 | |
Mac OS X | ~/Library/Application Support/Kindle/My Kindle Content | 変更可能 |
Windows | マイドキュメントの「My Kindle Contents」 | 未確認 |
ハードウエア版 Kindle | /documents |
Kindle 形式 (.mobi, .awz) を除くと、対応しているファイル形式は各アプリによって異なっていて、例えば Mac OS X 版では PDF を読むことができたが、Android 版ではコンテンツとして認識されなかった。
KindleGen でユーザーコンテンツを作ってみる
ユーザーコンテンツを Kindle 形式に変換するためのコンバーターが Amazon.com からフリーで提供されている。「KindleGen」というやつで、HTML、OPF (なんだこれ?)、ePub から .mobi へ変換できる。
試しに青空文庫にある、「文字禍」(中島敦著) の HTML を mobi に変換して Android 版のアプリで見るとこんな感じ。ルビがちょっと残念。
D: Whiepersync
これはコンテンツ自体のやりとりではなく、コンテンツの最後に読んだページや、自分で付けた注釈、ハイライト等をクラウド経由で同期する仕組み。
ただし、ユーザーコンテンツ&アプリ版の Kindle の組み合わせはこの仕組みを使えない。手動コピーしたユーザーコンテンツはクラウドに保管されていないし、Kindle Personal Documents Service を使うとクラウドに保管されるもののハードウエアの Kindle にしかダウンロードできないため。
参考文献
- 印刷どーなる? » Blog Archive » EPUBをmobiに変換してKindle3で読んでみました。 <http://www.gorilog.net/print/archives/123>
- Kindle のおいしい使い方 @Wiki – アプリ版Kindleの辞書入替 <http://www22.atwiki.jp/how2kindle/pages/13.html>