最近お気に入りのNHKオンデマンドの「見逃し番組」で見た番組。
海外貿易の世界では、「国際標準」と呼ばれる製品の規格の枠組みがあるそうだ。1994年?に欧州主導?で取り入れられたもので、WTOの国々はこの規格に沿った製品でないと輸出できないとのこと。
何が問題かというと、日本の製品は独自規格のものが多く、国際標準に適合していないことが輸出の減少の原因になっていること、およびその原因として国際標準の策定プロセスの中で、日本に戦略が欠けており、規格の主導権争いに勝てていないこと。
番組内で特に取り上げられていたのは高電圧(UHV)による送電技術で、国際標準の規格では1050Kボルトと1100Kボルトが実現化前の「名ばかり」規格として存在していたところ、日本は1100Kボルトの技術を開発したため、1100Kボルトを新たに国際標準に加えないと輸出ができない。
1100kボルトの技術を1050kボルトにダウンコンバート?して使えないのか、とか、規格が決まった時点でその電圧に変更して開発を継続していたらよかったのでは、とか考えたけど、おそらく莫大なコストをかけて長期間(30年とのこと)開発してきたので、急にはそういった進路変更ができないのだろうなあ。
ゆえに、特に海外に進出を図っていきたい技術については、国際標準の動向に注視する必要があるし、場合によっては規格の決定において政治顔負けの多数派工作が必要になる、というのが番組の肝であった。
最後にちょっと疑問だったのが、標準規格で特許ビジネスができるのか?ということ。そのような話が番組内でちょっとふれられていた。携帯電話なんかでも同じような話を聞いたことがある。
ふつう、規格化された技術はオープンなのだから、規格化された技術そのものに特許を与えるということは考えられない。規格を実現化する方法が特許の対象となっても、別の方法によって同じ規格の製品を作ることはできるのではなかろうか。その点でデファクトスタンダードとは違うと思うのだけど・・・。