NHKオンデマンドで見た、「プリズン・ドッグ」という番組が面白かった。
米国のマクラーレン青年更生施設では、「ドッグ・プログラム」と呼ばれる方法で、受刑者の更生を図っているという。
「ドッグ・プログラム」は、捨てられたり虐待されたりした犬を、受刑者たちがトレーニングして、新しい飼い主に引き渡すというもの。
社会的に意義のある仕事というだけでなく、犬との心のふれあいを通して自然な形で思いやりを学んだり(ちょっとクサイね)、新しい飼い主に感謝されることで、心がすれてしまった受刑者たちが人間関係を再構築して更生に役立っている模様。再犯率も低いらしい。
受刑者の一人が、犬も人間も個性があるんだねーと語っていたのが印象に残った。
人間関係の行き詰りなんて、今に始まったことでなくて昔からあることだと思うけど、最近は本当に、他人に無関心でいようと思ったら、徹底的に無関心なままでいることができるようになったと思う。
秋葉原の通り魔事件なんかでもそうだけど、孤独が反社会的行動の一因になったのではないかと思われる事件は多い。
「「丸山眞男」をひっぱたきたい」とかね。いったん他人に対する殻を作られたら、もうちょっとどうにも人間関係が修復できないことが多い。(なお、あの人が殻を作ってると思ったら、案外自分が殻も作っていたというケースも多い)
そうなると少々コミュニケーションをとろうと思っても、押しつけがましいものになって絶対うまくいかない。前科者とかだったら尚更。
ところが「ドッグ・プログラム」では、そこに犬を介在させることで、自然に受刑者を人間関係のなかに受け入れるのに成功しているように思った。
これは一例にしても、刑事政策といっても、厳罰化とか死刑反対とかではなくて、こういう再社会化をどうやって図っていくか、その方法が大事だねえ。家具とか作ったりしているのはたまに見るけど、うーん。ソフトウェア開発を職業訓練で学ばせたりしてるという、美祢社会復帰促進センターとか、うまく機能しているのかなあ。