衆院選の期日前投票のために市役所に行ってきた。
驚いたのが同じように投票に来ていた市民の数で、投票所のある3階にいくと既に50人もの行列ができていた。行列の最後尾は連絡通路を超えて隣の建物まで続いている。
こちらに越してきて最初の選挙は橋本知事の当選した府知事選で、そのときも期日前だったが、投票所は他に市民の姿はなく寂しい思いをしたことを覚えている。注目している市民の数が違うのだろうか。
その市役所3階には、多くの市民と見知りの投票しない人がなぜかいて、新たに行列に並ぶ人たちと頻繁に挨拶を交わしたり、行列の場所取りをしたり、エレベーターホールの前で待機していて高齢の市民の投票が終わったらその人を市役所出口の車までナビしたりしていた。都会の投票所に似つかわしくないようなムラ社会的な光景で、ちょっと珍しく思われた。もしかしてどこかの党の支持者たちの組織的な投票活動なのだろうか。
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その後帰宅すると、珍しく固定電話に着信があって、出ると衆院選の電話調査であった。
回答を了承したところ、質問内容は投票予定の候補者・政党、普段の支持政党、望ましい政権連立のありかた、重視する政策のほか、各候補者について知っているかどうかなど、だいたい10分くらいかかった。
興味深く思ったのが、調査員の女性が最初に「現在20台30台の男性の回答が不足している」などとのたまって、「20代30代の男性ですか」と聞いてきたこと。
大学生のころ、夏休みのアルバイトとして、テレビ視聴率調査で有名な某社のラジオ聴取率調査の手伝いをしたことがあった。その際、性別・年代別の被調査者のサンプル数が、対象となる地域の人口構成に基づいてあらかじめ設定されており、なかなか見つからない性別・年代の人を探し出すのが大変だったと記憶している。
その時は住民基本台帳の内容をもとに、調査員が戸別訪問する方法であったので、「20台の男性」が住んでいるはずの家を訪問する、ということができた。一方、今回の電話調査はRDDとのことなので、出た人間の年代や性別などは知りうる由もないはず。
そのあたり、全く無作為に電話をして目的の属性の人間を探すのであれば、大変な苦労だ。また、仮に予めそれを知った上で電話番号を抽出したとしたら、それはそれで問題だ。NTTが持っているはずはないし、持っていても提供するとは考えにくいが、民間のデータベースにはあってもおかしくないかも。
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文芸春秋9月号に中曽根(康弘)と、渡辺恒雄の自民党に関する対談が載っていたが、議席が150以下になったら自民党は半永久的に野党になるなどという話が出ている。先日の電話調査の結果が出る前の話だが、それだけ先日の電話調査の結果は衝撃的なのだろうと思う。
なお、同号に猪瀬直樹が民主党の「高速無料化」を批判した文を書いている。民営化に逆行して行政が肥大化するという側面からの内容だが、自分の思いを強くした。