あらすじを読んで、コメディー+法廷もの、と思って見たのだけど法廷はほとんど関係なかった。Yahoo! オンラインシアター経由。
見どころ
- チャーリー妻の典型的なダメ女っぷりがすごい。
感想
話の流れからして、チャーリーとイボンヌは善人、チャーリー妻は悪女という対比を当然していくのだけど、前者の演出はどうもぬるいというか、煮え切らないというか、要は「そんなシーンだけで彼らは善人ですよ、って言うエピソードになるの?」と言いたくなる。
これに対してチャーリー妻の突き抜けっぷりがすごい。金に細かい、すぐキレる、横暴、傲慢、声が耳障り、とにかく男の嫌いな女の悪徳を全て兼ね備えた権化みたいなもんで、見ていて感情が一回りしてしまってむしろ心配になる。
これは全体通してそういう感じで、チャーリーとイボンヌのエピソードはどちらかというと控えめでファンシー、チャーリー妻はギャグタッチで現実的ということで、ジャンルの違う映画を代わる代わる見ているようで、全体がちぐはぐのように思った。お吸い物とピザが交互に出てくる食事みたい。そのギャップも含めてのコメディという考えもあるんだろうけど。
チャーリーのエピソードも、もっと過剰演出したほうがおもしろかったんじゃないかなあ。現実のモデルがいるということなので難しかったのかな。
ところで、チャーリー妻の立場から考えると、チャーリーがイボンヌと口裏合わせをして、宝くじの当選金をなるべく自分たちのものにするために、チップの代わりに当選金の半分を渡すという約束をしたとうそをついた、という見方もできるね。何もなかったら夫婦で折半だけど、最初からイボンヌとくっつくつもりで約束をでっちあげたら、チャーリーとイボンヌで当選金の75%をとれることになるから。
チャーリー夫婦は同居して日常を共に過ごしているわけで、夫婦関係が破たんしているとは言い難い。そんな中、夫婦の共有財産であるところの200万ドルもの宝くじ当選金を勝手に他人にあげるというのは、チャーリー妻以外でもありえないわけで、さらにその前後で不貞行為があったと考えると、トラブルの原因の一端は善人面しているチャーリーにもありそうな気がする。
というように、ついつい肩入れしたくなってしまうほどの悪女っぷりを発揮してくれるということで、ぼちぼちの面白さでした。
他の人の感想
- ハートフルストーリーという感想が多かった。あと、ニコラス・ケイジの髪の量に触れたものもちらほら。
- 「あなたにふる夢|こころのサプリ」では、ホームレスとの接し方など、西洋文化による背景に注目している。
- 「Aのムビりまっ!!!(映画って最高☆):あなたに降る夢 – livedoor Blog(ブログ)」では、チャーリーのイボンヌへ愛の告白の台詞に注目。うん。あの場面は見事だった。すっかり忘れてた。
- 「note。on movie 【あなたに降る夢】 幸せは降ってくるんじゃなくて…」では、ストーリーテラーのエンジェル氏にも注目。あの場面は状況が転換して、単なるチャーリーの身の回りのお話から、一気にNYの大きさ、懐の深さにつながる転換点だった。
参考文献
- Yahoo!映画 – あなたに降る夢 – オンラインシアター <http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tyot/id981/>
- あなたに降る夢 – Google ブログ検索 <http://blogsearch.google.co.jp/blogsearch?hl=ja&ie=UTF-8&q=%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AB%E9%99%8D%E3%82%8B%E5%A4%A2&lr=lang_ja&sa=N&start=0>