概要
- フェースブックを創業したマーク・ザッカーバーグが主人公ということで、フェースブックの物語かと思ったら違っていた。
- タイトルにあるとおり、まさにザッカーバーグ自身のソーシャルネットワークの物語だった。
感想
大学の友人との友情、競争、恋愛、起業、法的紛争、起業買収、シリコンバレー。そういった要素が複雑になりすぎることなくまとまっていて、しかもそれは現実を下書きにしているという事実があって、とてもおもしろかった。
弟が先にこの映画を観て、一流シェフの料理に例えていたが、その意味がよくわかった。フィンチャー映画のイメージは、セブンとファイトクラブだったが、だいぶ変わりそうだ。
フェースブックは?
私はフェースブックを使ったことがなく、しかしずいぶん成功しているサービスなので、どういったことが成功につながったのか、それは創業者の人的魅力によるものか、卓越したマーケティングがあったのか、そんなことがわかる映画かなと思っていたが、全く違った。
物語の中心は創業者のザッカーバーグであって、フェースブックではない。
フェースブックを通して、ザッカーバーグ自身のソーシャルネットワークが広がったり変化したりするが、フェースブック自体が持つ意味や社会的影響などは、ほとんど言及されていなかった。
たぶんザッカーバーグにとってのフェースブックは、彼女との関係を修復する手段だったのだろうと思う。
で、北京五輪で6位に入賞した兄弟にとってのフェースブックは、ビジネスとして成功する知的財産だったのだろう。
で、ショーンにとってのフェースブックは、単なる金のなる木だったのだろう。
CFO の彼がフェースブックをどうみていたかはちょっとわからないけど、単なるサービスではなく、ザッカーバーグとの関係との中でとらえていたのは間違いないと思う。
フェースブックが抱えていた法的紛争は結局和解に至ったが、ザッカーバーグ自身はどう思ったのだろう。
ギーク的な興味
ザッカーバーグが使うラップトップは、少なくとも最初に出てきた場面では VAIO だった。その画面は、ずいぶんシンプルだったけど、KDE っぽく見えた。
あとは、女子学生の顔写真をごっそり取得するのに wget コマンドでどうたらとか、perl スクリプトがどうだとか、フェースブックを動かすのに apache の動く HP のマシンがどうのこうの、など、それっぽい単語が会話に出てきた。
また、ビルゲイツの役がちょろっと出てきた。
アメリカ的
それにしても、登場人物がみな自信にあふれていて、言葉と振る舞いにスピードと力強さを感じるのは、アメリカ的だなあと思った。
あと、CFO の彼が動物虐待したというのは、ちょっと私の目から見て、その深刻さがよくわからなかった。
ニワトリをつれて生活していることが虐待なのか? チキンを食べさせたのがいけないのか? そもそも社会的に強い非難を受けかねない行為を、ハーバードの伝統あるクラブ?が伝統行事?として新入者に強要しているのか?