03:ハードボイルド・ワンダーランド(雨合羽、やみくろ、洗い出し)

「この程度のものなら洗い出しで十分でしょう」と私は言った。「この程度の頻度類似性なら仮説ブリッジをかけられる心配はありません。もちろん理論的には可能ですが、その仮説ブリッジの正当性を証明することはできませんし、証明できなければ誤差という尻尾を振りきることはできません。それはコンパスなしで砂漠を横断するようなものです。モーゼはやりましたがね」

【概要】
広い部屋に通された私は、女に言われるままにゴム引きの雨合羽と長靴を身につけ、洋服ダンスの中にあった梯子を下って、ひとり真っ暗な空間を川に沿って歩いていった。しばらく行くと、老人が迎えに現れた。
老人は、滝の中の洞窟の奥にある研究所で、頭骨から発せられる音の研究をしているという。その音をコントロールすることにより、人の発声や聴覚から、音を増やしたり抜いたりできるらしい。トリプル・スケールの料金を約束した老人の依頼に従って、「計算士」の私は、実験計測数値の洗い出しを始めた。
【感想】
「洗い出し」って何?暗号化みたいなこと?仮説ブリッジ?シャフリング?
と、急にいろんな世界が見え始めた。「洗い出し」って人間の脳の中のパターンで数値を暗号化することのようだ。
 あと、老人が研究しているという「音を抜く」技術。「音と反音の音を共鳴させる」ことによって、音を小さくするというので、ノイズキャンセラ機能のついたイアフォンを思い出すけど、老人の研究内容では、特定の音の逆位相の音を出力するというわけではないらしい。

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